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被爆70年 平和の旋律 露の巨匠フェドセーエフ 5月広島公演 22年ぶりタクト

 ロシアの世界的指揮者、ウラディーミル・フェドセーエフ(82)率いるチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(旧モスクワ放送交響楽団)が、被爆70年に平和の旋律を奏でる。広島市中区の広島文化学園HBGホールで5月27日にあるチャリティーコンサート。広島の街に思いを寄せる巨匠自らの申し出がきかっけで、この地での公演は22年ぶりとなる。(余村泰樹)

 第2次大戦中、ドイツ軍に包囲され多数の餓死者が出たレニングラード(現サンクトペテルブルク)出身のフェドセーエフ。平和への思いは強く、1993年の広島公演では広島赤十字・原爆病院に出向き演奏した。原爆資料館で知った惨状に胸を痛め、深い悲しみを味わった広島市民にささげた当時の公演は、楽団と客席が一体となり、自身の心に深く刻まれているという。

 今回は、昨年の土砂災害を知ったフェドセーエフが音楽事務所を通じ、広島を訪れ無償で演奏したい、と広島交響楽団に連絡。地元企業を中心につくる実行委員会が受け皿となり、5月の日本ツアーの合間を縫って実現した。

 チャイコフスキーの演奏では世界一とされる同オケ。プログラムにはその3曲をそろえた。93年に聴衆を感動で包んだ交響曲第6番「悲愴(ひそう)」、広響団員を加えた120人規模で届ける弦楽セレナーデ、世界的バイオリニストのワディム・レーピンをソリストに迎える瞑想(めいそう)曲を奏でる。

 一般5千円、学生2千円(枚数限定)。収益は、原爆関連施設や土砂災害の被災地に送る。中国新聞社などの共催。広島市文化交流会館Tel082(243)8488。

(2015年3月24日朝刊掲載)

フェドセーエフ公演 チケット販売 来月3日から 広島

 ロシアの世界的指揮者、ウラディーミル・フェドセーエフが5月に広島市で開く広島平和チャリティーコンサートについて、実行委員会が24日、市役所で記者会見を開いた。協賛企業を募り、4月3日からチケットを販売すると発表した。

 フェドセーエフ率いるチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(旧モスクワ放送交響楽団)が無償で出演し、平和の旋律を奏でる。「平和を思う気持ちに地元企業で応えたい」と巣守佳之実行委員長。協賛金3万円を提供する企業を4月30日まで募る。

 収益は400万円以上を見込み、原爆関連施設などに寄付する。5月27日午後7時開演。5千円、学生2千円。市文化交流会館Tel082(243)8488。

(2015年3月25日朝刊掲載)

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