×

ニュース

被爆体験絵本を復刻 豪在住の森本さん作「わたしのヒロシマ」

■記者 里田明美

 広島市西区のNPO法人「HPS国際ボランティア」が、同市出身の被爆者でオーストラリア在住の絵本作家、森本順子さん(79)の「わたしのヒロシマ」の復刻本を6月6日に出版する。

 森本さんは広島女学院高等女学部2年だった13歳の時、現在の西区三篠町の自宅で姉と被爆した。その体験を繊細な絵と文章でつづる。1987年にオーストラリアで英語版を出版し、学校の副読本にもなっている。

 NPOが昨年、市と国の助成を受けて日英2カ国語を併記した冊子を1万部作製。修学旅行生などに配り、300通を超す感想文が寄せられた。

 「命の重みを伝えるメッセージ性の高い内容。多くの人に読んでほしい」。NPO理事長の佐藤広枝さん(72)たちが話し合い、オリジナルを基に書籍での復刻を進めた。3千部作ったという。

 出版に合わせ、6~24日に中区袋町の旧日本銀行広島支店で原画や平和メッセージ、戦前戦後の広島の写真を展示。冊子の感想文も置く。佐藤さんは「県内外の児童や生徒が平和について考えるきっかけになれば」と話す。佐藤さんTel090(7895)5366。

(2011年5月26日朝刊掲載)

年別アーカイブ