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平和宣言 被爆者の思い反映 松井広島市長が方針 公募文章から引用

■記者 金崎由美、藤村潤平

 広島市の松井一実市長は、8月6日の平和記念式典で読む平和宣言の策定に向けて、被爆者から体験と平和への思いをつづった文章を公募し、有識者委員会で選考する方針を固めた。宣言そのものは市長自らが書き、採用した被爆者の文章はその中で引用する。

 公募は6月に始め、7月に有識者委で採用する文章を選ぶ。委員構成は今後詰める。松井市長は、被爆者の声を世界や後世に伝えることを最も重視するとともに、被爆2世でもある自分の責任で平和宣言の文面を練り上げる決断をした。

 歴代の広島市長は、平和宣言を自ら起草してきたが、松井市長は就任当初、長崎市のように有識者や被爆者でつくる起草委員会を設けて文面を合議する可能性に言及していた。

 そうした市長の姿勢に関し、被爆者団体の中には「みんなの意思を盛り込むのはいい。ただ、内容が総花的になりやすい面もある」「私はこれを訴えたいと、市長の覚悟を示すことがもっと大事だ」などの意見もあった。

(2011年5月27日朝刊掲載)

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