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米軍低空飛行 最多の1479件 広島県内 昨年度の目撃数

■記者 村田拓也

 広島県内で2010年度に目撃された米軍機とみられる低空飛行は延べ1479件に上り、調査を始めた1997年度以降、最多だったことが26日、県の集計で分かった。2009年度から674件増え、1.8倍となった。北広島町で急増し、廿日市市や江田島市など沿岸部でも増えた。県は近く、日米両政府や米海兵隊岩国基地(岩国市)に訓練中止を要請する。

 これまで最も多かった2008年度(1135件)以来、2年ぶりに千件を超えた。住民団体「米軍の低空飛行の即時中止を求める県北連絡会」の岡本幸信事務局次長(46)は、沿岸部での目撃件数の増加について「岩国基地の沖合1キロに移設された新滑走路の本格運用で飛行ルートが変わった影響ではないか」との見方を示している。

 県北や県西部の沿岸地域を中心に7市1町から寄せられた。最多は北広島町の819件。廿日市市300件▽江田島市231件▽大竹市67件▽三次市45件▽広島市11件▽呉市4件▽庄原市2件―と続いた。北広島町は09年度比359件増、江田島市226件増、廿日市市116件増。

 目撃された実日数も236日と過去最多だった。市町別では、北広島町が181日で最も多く、廿日市市118日▽大竹市45日▽江田島市41日▽三次市20日▽広島市5日▽呉市4日▽庄原市2日―だった。

 99年の日米合同委員会で「必要不可欠な場合に限る」と合意した土日祝日は92件の目撃情報が寄せられ、依然多い。午後7時から翌日午前7時までの夜間・早朝にも137件あった。

 県国際課は「住民の関心の高まりが目撃件数の増加につながった側面もある。恒常的に訓練が続いており、日米合意が順守されているとは言い難い状況にある」としている。

(2011年5月27日朝刊掲載)

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