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鋳物折り鶴に平和の願い 広島県の工業組合、岸田外相に寄贈へ

 広島県内の鋳物メーカーでつくる県鋳物工業協同組合(広島市西区)が鋳物で折り鶴のつがいを作った。組合が技術力アップを目的に開く講座で学んだ6社の社員12人が初めて企画。広島の鋳造技術をアピールするとともに、平和への祈りも込めた。

 鋳物の折り鶴は、羽を大きく広げた幅40センチの雄と、幅20センチで小さめの雌。いずれも41センチ四方の紙で折った場合の姿を想定した。

 羽はわずか3ミリの薄さに仕上げた。表面に穴が開くなどして、15回も試作を繰り返した。鋳型となる砂の強度や、温度管理を工夫し、ようやく成功した。

 参加したヨシワ工業(海田町)の大下尚哉さん(43)と友鉄工業(安佐北区)の中井洋介さん(34)は「鋳物の魅力を多くの人に知ってもらい、広島の業界として平和の推進にも役立てれば」。技術を世界に発信したいとの思いを込め、28日に鋳物の折り鶴を岸田文雄外相に贈る。(河野揚)

(2015年3月28日朝刊掲載)

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