×

ニュース

崇徳高グリークラブ 10日に国際コンサート ヒロシマの希望 歌声に 

 崇徳高(広島市西区)のグリークラブが、4月10日に東京芸術劇場(東京)で開かれる「国際平和コンサート・イン・ジャパン」に出演する。主催する米国の公益財団法人ハーモニー・フォー・ピースに招かれ、被爆地の高校生代表としてヒロシマ関連の作品を中心に3曲を歌う。未来への希望を歌声に込めて届けようと練習に取り組んでいる。

 新2、3年生計29人が参加。勇壮な曲調が魅力的な「たたら」、市の平和記念式典で歌われる「ひろしま平和の歌」、希望を表現する「ヒロシマにかける虹」を4部合唱で披露する。

 中でも「ヒロシマに―」は、広島高等師範学校に在学中に被爆した教師の津田定雄(1975年に46歳で急逝)の長編詩を基にした約8分の曲。平和都市として未来へ向かう街と、そこに生きる人たちの希望をスケール大きく歌い上げる。

 同クラブは、昨年7月に茨城県であった全国高校総合文化祭・合唱の部に広島県代表として出場。部員は毎日約3時間、パート単位や全体練習を重ねている。

 バスの新宮太一君(17)は「聴く人に、70年前の広島を思って平和の大切さを意識してもらえたら」。顧問の小島克正教諭(49)は「歌声で平和を表現する音楽の力を生徒自身にも聴衆にも感じてほしい」と話す。

 国際平和コンサートは2010年のニューヨークに続き2回目。バイオリンの千住真理子、イスラエル出身でフィラデルフィア管弦楽団所属のチェロ奏者オハード・バーダビデらが出演。東日本大震災の被災地から福島県立安積黎明高の合唱団が招かれている。(谷口裕之)

(2015年3月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ