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福山市原爆被害者の会解散

 福山市原爆被害者の会が31日、解散した。約60年にわたり被爆者たちの親睦を深めてきたが、役員の高齢化で運営が難しくなり、終止符を打った。同市霞町の原爆死没者慰霊碑の管理などは市が引き継ぐ。

 同会は31日、役員会を開き、物品の整理などをした。市は同日、同会からの慰霊碑の寄付を受理した。

 同会は1956年に発足。被爆者の援護を国に求めたり、体験の証言活動をしたりしてきた。89年には同会が中心となり、原爆死没者慰霊碑を建立。毎年8月6日には市内で原爆死没者慰霊式を開いてきた。2月末に臨時役員総会を開き、3月末での解散を決めた。被爆者と被爆2世、遺族の計約500人の会員がいた。

 慰霊碑と、碑に納められている死没者名簿は今後、市が管理する。市福祉総務課は「原爆の悲惨さを次世代に語り継ぐため、大切に管理したい」としている。

 同市では、被爆2世を会長とする、新たな被爆者団体が4月4日に発足予定。(小林可奈)

(2015年4月1日朝刊掲載)

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