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平和宣言の文言 「被爆者の体験や思いを」 松井広島市長、起草時に引用

■記者 金崎由美

 広島市の松井一実市長は30日、平和宣言に引用する被爆者の体験談や平和への思いを6月1日から公募すると正式発表した。採用した文章は平和宣言を起草する際に引用し、8月6日の平和記念式典で核兵器廃絶への願いを込めて読み上げる。

 松井市長は「被爆体験や思いを次世代が共有し、世界に広げることが重要」と強調した。平和宣言の文面そのものは歴代市長と同じく自身が書く考えを示し「今までのやり方もいい面がある。折衷案というか、より市民の思いが託される文面になる」と述べた。

 この方針表明を受け、広島県被団協の坪井直理事長は「市長は自分の思いをしっかりと掲げ、被爆者の声と突き合わせて」。もう一つの県被団協(金子一士理事長)の大越和郎事務局長は「市民の代表として市長が読むのが平和宣言。歓迎したい」と期待した。

 市は広島での被爆を条件に国内外から公募する。家族の聞き取り代筆も可能。被爆者健康手帳の有無は問わない。締め切りは6月20日。市長や被爆者、原爆資料館長たちによる選定委員会で決める。平和推進課Tel082(242)7831。

(2011年5月31日朝刊掲載)

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