×

ニュース

「首脳 被爆地訪問を」 首相 NPT 岸田氏派遣へ

 安倍晋三首相は1日の参院予算委員会で、核軍縮・不拡散の取り組みについて「世界中の政治指導者が広島、長崎を訪問し、被爆の実相を知っていただきたい」と述べ、各国首脳の被爆地訪問の意義を強調した。広島市は来年に日本である主要国首脳会議(サミット)の開催地に立候補しているが、開催の是非には言及しなかった。

 民主党の森本真治氏(参院広島)への答弁。首相は「被爆の悲惨さに直接触れることが、核兵器のない世界への思いを促進することにつながる」と強調した。

 ただ、森本氏が、サミットに触れて米国のオバマ大統領たちの広島訪問を実現する取り組みを求めたのに対し、首相は「(各国首脳の訪問が)核軍縮・不拡散の機運を高めていく上で有意義だ」と述べるにとどめた。

 首相が4月中にも決めるとされるサミット開催地に関し、菅義偉官房長官は1日の記者会見で「4月中かどうかは承知していない。(6月に)ドイツで開かれるサミットに行く前までには決定する」と語った。

 また、首相は予算委で、27日から米ニューヨークで開かれるNPT再検討会議に岸田文雄外相を派遣する意向を表明した。

 再検討会議は、1970年に発効したNPTの実施状況を点検するため95年から5年ごとに開催しており、日本外相の出席は10年ぶり。首相は「唯一の被爆国として、核兵器のない世界に向けた国際社会の取り組みを主導する。諸般の事情が許せば、広島出身の外相を派遣したい」と述べた。(藤村潤平、城戸収)

(2015年4月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ