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折り鶴活用 採用案 8月試行 広島市 あすから案を公募

■記者 金崎由美

 広島市の松井一実市長は30日の記者会見で、市が大量保存している折り鶴を別の形に活用するアイデアを6月1日から募る考えを正式表明した。長期にわたる大量保存を目指してきた秋葉前市政の方針を全面転換する。採用案の一部は、まず今年の8月6日前後に試行する。

 松井市長は、折り鶴を活用する意義に関し「目に見えない形になっても託された思いが皆の心に根付くこと」と語った。すぐに取り組める一例として祈りを込めてたき上げる案を披露した。これまでもボールペンの胴体やはがきに再生させる案を例示している。

 平和記念公園(中区)の原爆の子の像には毎年、国内外から1千万羽以上の折り鶴が届く。2002年度からは、「折り鶴ミュージアム(仮称)」を構想する秋葉忠利前市長の指示で焼却せず、市の施設で保管してきた。10年度末で1億1千万羽、93トンに上る。一方で折り鶴の長期保存には市議会に根強い反対があった。

 1日に開始する活用策の公募では事業の実施主体も募る。参考意見として折り鶴を一定期間、保存・展示することへの是非も聞く。7月29日締め切り。応募用紙は市の施設やホームページで入手できる。市平和推進課Tel082(242)7831。

(2011年5月31日朝刊掲載)

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