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島根原発3号機 来春運転開始を延期 津波対策と点検遅れ

■記者 樋口浩二

 中国電力は31日、建設中の島根原子力発電所3号機(松江市鹿島町)について、2012年3月に予定していた営業運転の開始を延期すると発表した。具体的な日程は未定。福島第1原発事故を受け、新たに津波対策を講じるのに加え、炉心に制御棒を挿入する駆動装置の点検が遅れているのが理由としている。

 島根原発3号機では、原子炉建屋の浸水防止対策や非常用電源の確保などが必要となっている。運転開始に向けて6月に予定していた炉心への燃料装填(そうてん)も遅れる。

 昨年11月、制御棒の駆動装置で動作不良が発覚。今年1月から茨城県日立市の工場で分解点検を進めていたが、東日本大震災で被災。点検終了のめどが立っていない。

 中電はこの日、島根県と結ぶ安全協定に基づき、3号機の運転延期を含む11年度の運転計画を提出した。中電島根原子力本部の綿貫孝彦広報部長は「津波対策をしっかりとやった上、運転開始に向けて地元の理解を得たい」と話した。

 溝口善兵衛知事は「中電には安全性確保を第一に安全対策に努められたい。県としては中電と国の対応を厳格に監視する」とのコメントを出した。

(2011年6月1日朝刊掲載)

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