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日米露の高校生 核軍縮語り合う 広島女学院で始まる

 核兵器保有国の米国、ロシアと日本の高校生が軍縮・不拡散をめぐる課題について英語で意見発表する国際会議「クリティカル・イッシューズ・フォーラム」が2日、広島市中区の広島女学院中高で始まった。

 米カリフォルニア州のミドルベリー国際大学院モントレー校の研究所が、軍縮・不拡散教育の普及を目的に1998年から毎年開催。被爆70年の今年初めて、広島女学院中高との共催で日本で開いた。米国7校とロシア2校、日本は安田女子高(中区)を含む5校が参加した。

 今年の課題は「核軍縮と人道アプローチ」。核兵器廃絶を「核兵器の非人道性」の面から進めようとする国際的な潮流を反映している。各校はスライドや映像を駆使し、入念な調査研究の成果を発表した。

 広島女学院高は、村上友梨さん(17)をはじめ3年生5人が登壇。核兵器を減らす方策をめぐり、核兵器を持つ国と、廃絶に熱心な国や市民社会との間に意見の亀裂がある現状を寸劇も交え流ちょうな英語で説明。原爆で300人を超す生徒と教師が犠牲になった母校の歴史にも触れ、国際社会の議論が「核兵器が本当に使われたらどうなるか、ということが置き去りにされがちだ」と問題提起した。

 竹里明莉さん(17)は終了後、「核兵器の非人道性は自分自身の問題だと実感してもらえるよう心掛けた。シナリオや構成も全て自分たちで考えたが、学校で受けている平和教育の蓄積が生きた」と話していた。

 初日は9校が登壇。安田女子高など残り5校が3日に意見発表する。(金崎由美)

(2015年4月3日朝刊掲載)

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