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「ヒロシマ・アピールズ」ポスター 制作者に遠藤享さん

■記者 金崎由美

 日本グラフィックデザイナー協会と広島国際文化財団は31日、今年の「ヒロシマ・アピールズ」ポスターの制作者にグラフィックデザイナー遠藤享さん(77)=写真・東京都=を選んだと発表した。核兵器廃絶を国内外に訴える同ポスターの制作は1983年に始まり、中断を挟み今年で14回目。

 遠藤さんは、写真の多重露光や印刷製版の技術を駆使し、コンピューターによる画像処理が普及する前からデジタルグラフィック的な作品を手掛けてきた。英国の大英博物館所蔵の作品もある。

 選定を受けて遠藤さんは、原爆ドームを題材に「負の閃光(せんこう)」と題する作品を制作しており、7月に発表する。同協会広島地区の川上佳代代表幹事は「グラフィックデザインの先駆者であり、戦争を体験してきた世代」と評した。

 東日本大震災の影響で紙の確保などに時間を要し、例年より1カ月遅い発表となった。ポスターは広島市内の書店や原爆資料館(中区)などで販売する。

(2011年6月1日朝刊掲載)

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