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被爆電車であの日を思う 当時の塗装で6月から運行 広電と中国放送企画 広島

 被爆70年の広島に、原爆投下時の塗装を施した被爆電車が走る。中国放送(広島市中区)と広島電鉄(同)が6月に始める「被爆電車特別運行プロジェクト」。車内で被爆証言や復興エピソードの映像を見ながら、あの日に思いをはせる。(余村泰樹)

 車両は、江波(現中区)付近で被爆し大破した653号。その年12月に復旧し、2006年まで現役だった。

 今は江波車庫に眠る車両を、広電OBらの証言に基づき、上半分をグレー、下半分を紺色に塗る。当時の配色で走るのは初めて。

 広島電鉄によると、所有していた123両中、108両が被爆。全焼・全壊22両、大破23両に及んだ。女学生を含む従業員185人が死亡し、266人が負傷。その後、84両を復旧させ、2両が現役で残っている。

 4月下旬に塗装し、6月7日に中区の広電千田車庫である「路面電車まつり」でお披露目。6月13日~8月30日の土日祝日(7月25日を除く)に、午前10時半と午後2時発の2便運行する。車内に大型モニターを設け、中国放送や原爆資料館の証言映像などを上映。広島駅発着で、八丁堀や原爆ドーム前を経て西広島で折り返す。所用時間は約1時間半。

 各便30人で先着順。大人500円、小学4年から高校生まで200円。はがきかメールで申し込む。視聴者センターTel082(222)1155=平日のみ。

(2015年4月4日朝刊掲載)

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