×

ニュース

戦艦大和の追悼式 7日に呉海軍墓地 沈没70年の節目

 広島県呉市で建造された戦艦大和が東シナ海に沈んで70年となる7日、同市上長迫町の呉海軍墓地で追悼式がある。会員の減少、高齢化などで休止状態だった戦艦大和会が昨年活動を再開、主催する。節目に当たり犠牲になった乗員を悼み、平和の尊さをかみしめる。一般参加も受け付ける。

 海軍墓地の「大和戦死者之碑」前で無宗教で執り行う。黙とうの後、艤装時の乗員で大和会の広一志会長(91)=同市伏原=が式辞を朗読。来賓や一般参加者が碑に献花し、海上自衛隊呉音楽隊が追悼演奏をする。

 大和会によると、会は1953年に発足した。大和乗員で、大和が属する第二艦隊の副官だった石田恒夫氏が中心だった。54年に呉市で第1回慰霊祭を開催。2005年まで慰霊行事を主催して休止を決めた。

 再開するのは戦後70年が近づき、先人の思いを次代に伝えるためだ。生き残った乗員の多くもこの70年間に亡くなっており、地元の観光ボランティアガイドといった市民有志や遺族たち127人が会に集まった。

 大和は1945年、徳山市(現周南市)から沖縄に向かう途中、米軍機の攻撃を受け沈んだ。大和ミュージアム(呉市宝町)によると、乗員3332人のうち3056人が亡くなった。

 活動休止後も慰霊碑の世話人会の一員として献花、清掃を続けてきた広さんは「若い乗員の犠牲があり今の平和がある。多くの人に参加してほしい」と願っている。式は午前10時から1時間程度。(小島正和)

(2015年4月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ