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原爆ドーム「100歳」 広島

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)は5日、広島県物産陳列館として誕生して、ちょうど100年を迎える。あの日を語り、平和を求め続ける被爆地のシンボルとして、国内外から市民を引き付けている。

 1915年4月5日に完成。市民に「白亜の高楼」と親しまれたが、30年後に閃光(せんこう)を浴び、爆風にさらされ、炎上した。戦後、変わり果てた姿に「見るのがつらい」と解体を求める声も市民から上がった。永久保存が決まるまで21年を要した。

 「見る者の心に被爆者の思いを語り掛けてくれる。永遠に残さんといかん」。県被団協の坪井直理事長(89)は言う。100歳を迎えてなお多くの悲しみと、平和な未来への希望を背負うドーム。市は被爆70年の今夏以降、初の耐震化工事に取り掛かる。(田中美千子)

(2015年4月4日朝刊掲載)

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