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日米露 核軍縮へ若い絆 広島 高校生の国際会議閉幕 「交流深め相互尊重」

 核軍縮をテーマに広島市で開催された「クリティカル・イッシューズ・フォーラム」国際会議は4日、公開シンポジウムを中区の広島国際会議場で開いた。米国、ロシア、日本の高校生が「核兵器なき世界」の実現に向けた課題や青少年の役割を英語で意見発表。3日間の日程を終えた。(馬場洋太)

 3カ国の生徒計5人がパネル討論。中区の広島女学院高3年キャパー結生さん(17)は「前の世代と同じ事を繰り返さないように若者はもっと学び、フェイスブックなどを使って行動を」と提起した。

 核超大国の米国の女子生徒は、核兵器保有国が2011年に核兵器に使った費用の合計額が国連の年間予算の42年分に当たると指摘。「貧困や開発支援などの利益のための使い道があるのに、(予算が)人に脅威を与える兵器に向けられているのは恐ろしい」と話した。ほかにも、米国やロシアの生徒から「自国で原爆や軍縮を学ぶ授業が少ない」「他国の人と話す機会を増やし、互いの文化に敬意を払うべきだ」などの意見が出た。

 討論に先立つ基調講演では、外務省軍縮不拡散・科学部の中村吉利審議官が、地方自治体の施策に言及。「海外の友好都市とインターネット電話『スカイプ』で軍縮についてディベートしてはどうか。生徒が英語力を磨く機会にもなる」と提案した。

 国際会議は米カリフォルニア州のミドルベリー国際大学院モントレー校の研究所が、軍縮・不拡散教育の普及を目的に1998年から毎年開催。被爆70年のことしは広島女学院中・高などと共催し、日本で初めて開いた。米国7校とロシア2校、日本は安田女子高(中区)など5校が参加した。

(2015年4月5日朝刊掲載)

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