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非核の願い 次世代へ 広島で講座 中高生に体験証言

 広島県被団協(坪井直理事長)などは5日、被爆者を援護する施策や組織がほとんどなかった原爆投下後の「空白の10年」をテーマにした「ヒロシマ講座」を、広島市中区の広島国際会議場で開いた。高校生や中学生を中心に約280人が参加した。

 池田精子副理事長が、12歳の時に爆心地から1・5キロで被爆した体験を証言。その後、被爆者の生活苦や原爆後遺症の実情を国に訴え続けた経験を紹介し、1957年に旧原爆医療法が施行されるまでを振り返った。「被爆者同士が支え合ってきた。核兵器と人類は絶対共存できないという私たちの思いを広く伝えてほしい」と語った。

 中国新聞社の西本雅実編集委員が被爆者の運動などを振り返った講演もあった。県立広島高1年の井上つぐみさん(15)は「自分の言葉でヒロシマを語り、核兵器廃絶や戦争反対を願う人たちを増やしたい」と受け止めていた。

 原爆投下から70年の節目に被爆の記憶を次代に継ごうと、県内の大学生たちと企画。6月21日には、核廃絶などをテーマに被爆2世や大学生たちによるパネル討議を開く。(有岡英俊)

(2015年4月6日朝刊掲載)

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