×

ニュース

残留邦人の苦難伝える 戦後70年 きょうから企画展 広島市中区

 中国残留邦人の歴史や日本に帰国後の生活の苦労を紹介する企画展が8日、広島市中区西白島町の中央公民館で始まる。戦後70年を機に、苦難の歴史や現状への理解を深めてもらおうと、市内の帰国者や支援者でつくるNPO法人中国帰国者・広島友好会などが初企画した。12日まで。

 1930年代以降に県内から旧満州(中国東北部)に渡った約1万1150人の出身地別の人数をまとめたマップや、外交問題などが絡んで終戦後も長く帰国できなかった事情を解説する資料を展示。帰国後に言葉の壁などで日本社会になじめず苦労した女性の写真などと合わせ、計約100点を掲示する。

 同友好会は、日本語が話せない帰国者を支援するため、広島市内で日本語の学習会や交流会を開いている。高齢化した1世が地元の介護サービスになじめなかったり、日本生まれの3、4世に歴史の伝承が進んでいなかったりして、新たな課題が出ているという。

 中山文林理事長(69)は「戦争に翻弄(ほんろう)された帰国者の苦難は今も続いている。行政や地域の人に広く理解してもらいたい」と話している。(久保友美恵)

(2015年4月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ