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語り継ぐ被爆 紙芝居に刻む 三次市三良坂の半田さん体験 社協制作 70年の節目 上演へ

 三次市三良坂町の岡田地区社会福祉協議会が、地元で被爆体験を語り継いでいる半田孝江さん(89)の証言を基にした紙芝居を作った。被爆70年の節目の年に、戦後生まれの世代でも受け継いでいこうと、地区内外で上演していく考えだ。(松本大典)

 半田さんは19歳の夏、看護師として働いていた爆心地から約1キロの基町(広島市中区)の広島陸軍病院で被爆した。紙芝居には、生死のふちをさまよいながら見た被爆直後の惨状や、ケロイドなどに苦しんだ戦後の歩みが描かれている。

 昨年9月の地区の敬老会で半田さんが語った内容を社協の中岡豊博会長(66)がまとめた。絵は、中岡会長の知り合いの元美術講師木戸まりさん(40)=神石高原町=が担当。A3判の画用紙12枚に水彩で描いた。

 町内外の小中学校で約30年間、体験を語ってきた半田さん。「紙芝居なら子どももイメージしやすい。核兵器や戦争の恐ろしさ、命の大切さを伝え続けてほしい」と話す。

 紙芝居は三良坂町の岡田ふれあいセンターで保管し、地区内外の学校や団体に貸し出す。中岡会長は「あの日をじかに体験した人はどんどん少なくなっている。バトンをつないでいかないといけない」と、紙芝居の活用を呼び掛けている。

(2015年4月9日朝刊掲載)

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