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戦死の米兵士を追悼 呉市倉橋の丸子山 園児ら お経や千羽鶴

 広島県呉市の音戸、倉橋両町の住民が9日、倉橋町の丸子山山頂にある米軍兵士をしのぶ墓碑の前で追悼式を開いた。戦時中の1945年、撃墜された米軍爆撃機に搭乗していた兵士の碑で、平和について考える機会にもしている。

 近くの藤脇地区同友会のメンバーと明徳保育所の園児ら計29人がお経を唱えたり、千羽鶴をささげたりした。爆撃機は45年7月24日、音戸町の民家に墜落し、搭乗員1人が死亡。52年、大戦中に長男を戦地で失った当時の藤脇区長が「戦争が終われば敵味方はない。平和な日本になるように」と、十字架の碑を建てたという。

 一時、山は荒れ放題になっていたが、地元住民が整備。追悼式の開催は10回目となる。空襲を経験した農業角石真さん(82)は「墜落直後、地響きが起きたのを覚えている。70年前に起きた戦争の傷痕を後世に少しでも伝えたい」と話した。(貞末恭之)

(2015年4月10日朝刊掲載)

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