×

ニュース

人生の歩み31文字に くろ土短歌会が歌集 平和や老い…思い刻む 広島県東部

 世羅町など県東部を中心とした短歌愛好家グループ「くろ土短歌会」は、会員100人がこの1年に詠んだ計約1400首を収めた歌集を作った。1963年に発足して半世紀余り。平和、老い、家族…。大半が70歳を超える会員は、人生の歩みを31文字に刻み続けている。

 ことしは戦後70年。平和を願う短歌が目立つ。「愛裂かれ七十年を経たるいまテレビに写す被爆地見つめる」「地球儀に海の青さは繋(つな)がるを人の心はなぜ繋がらぬ」

 自らの老い、家族を失った悲しみを詠む人も多い。「亡き妻を思い出しつつ冬晴れの空に背伸びし布団干しおり」「トラクターのハンドル素手に握りしむ農業断つと決めし心に」

 代表の平野節美さん(79)=世羅町=は「短歌を詠むことが会員の活力になっている。新しい会員も募りながら活動を続けたい」と話す。A5判、101ページ。150部を印刷し、会員や関係者に配った。希望があれば提供する。くろ土短歌会Tel0847(39)1257。(榎本直樹)

(2015年4月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ