×

ニュース

福島で原水禁大会開幕 来月 「脱原発」を討議

■記者 岡田浩平

 原水禁国民会議などは7日、今夏の原水爆禁止世界大会の開幕集会を7月31日に福島市で開く方針を決めた。福島第1原発の事故を受け、「フクシマ」を原点に広島、長崎、沖縄まで続く一連の大会で「脱原発」の訴えを掘り下げ、広げる。

 世界大会は例年、広島、長崎両大会と国際会議を開催。今年は原発に依存してきた社会を問い直す転換期と位置付け、「核と人類は共存できない」との根本に立ち返って議論を深めようと、大会内容の大幅な変更を検討してきた。この日までに福島の地元組織からも内諾を得たという。

 福島大会には福島第1原発事故の被災者やチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)の被災者、被爆者らを招き、「脱原発」を提起。8月4~6日の広島大会、7~9日の長崎大会では原発の周辺住民への影響や原発作業員の被曝(ひばく)などを取り上げる。広島市で5日にある国際会議も原発を議論の柱とする。

 原発同様に地方に負担を押し付けているとの問題意識から在日米軍基地もテーマに取り上げ、10日か11日に沖縄大会を開催。東北アジアの安全保障などを討論する。

 世界大会の日程は17日に開く実行委員会で正式決定する。原水禁の井上年弘事務局次長(53)は「核文明を問い直す大会にしたい」と意欲を示している。

(2011年6月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ