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被爆アオギリ 福島で芽吹け 倉橋の月下さん 「人々の生きる希望に」

■記者 小林可奈

 被爆者で墨アーティストの月下美紀さん(70)=呉市倉橋町=が、15日から福島県を訪れ、被爆アオギリ2世の種などを贈る。「放射線の影響を心配する人々の生きる希望につながれば」との思いを込める。

 月下さんは15~17日、福島市や二本松市、南相馬市の市役所や避難所を訪れ、市長や住民に面会する予定。被爆後も芽吹き、被爆者たちに生きる希望を与えた平和記念公園(広島市中区)の被爆アオギリの2世の種約900粒や、3世の苗約30株を贈る。

 4歳の時に広島で被爆した月下さんは約30年前から、墨を用いたアートで、平和などをテーマにした創作活動を続けてきた。福島第1原発事故を受け「土地は復興しても、放射線の影響を心配する人々の苦悩は続く。被爆者としてメッセージを伝えたい」と思い立った。

 種や苗は広島市の市民団体「被爆アオギリ里子運動」などに依頼し、提供を受けた。月下さんは「アオギリの生命力を福島の人にも感じてほしい」と願っている。

(2011年6月9日朝刊掲載)

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