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核軍縮への貢献 強調 露駐日大使 広島訪れ市長と会談

 ロシアのエフゲニー・アファナシエフ駐日大使は14日、広島市役所で松井一実市長と会談した。2012年に就任した大使は初の広島訪問。プーチン大統領が核兵器使用を示唆するかのような言動を重ねる中、大使は核軍縮に向けた自国の貢献を強調した。

 会談冒頭、3日に大統領宛ての抗議文を送った松井市長が「どんな国でもどんな事情でも、平和を阻害するような言動には抗議してきている」と発言。大使はその話を途中で遮り、「大統領は核兵器を使うとは一切言っていない。国民にも『ノーモアヒロシマ』の気持ちが強くある」と反論した。

 加盟国に核軍縮の交渉義務を定めた核拡散防止条約(NPT)に関しても「ロシアはとても熱心だ」と述べた。相互理解を進める必要があるとも話し、松井市長は「平和に向けて握手できる環境があるのが分かった。誤解のないようにしたい」と応じた。

 また会談に先立って平和記念公園(中区)を訪れ、広島平和文化センターの小溝泰義理事長の先導で原爆慰霊碑に花を手向けた。原爆資料館も見学し、被爆者の写真や焼け焦げた衣服などの遺品に見入った。報道陣に「市民の苦しみに共感する。全世界の誰もがここを訪れるべきだ」と語った。(田中美千子)

(2015年4月15日朝刊掲載)

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