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日米結ぶ 平和の碑 レイノルズさん顕彰 あす除幕

■記者 教蓮孝匡

 米国の平和活動家で、広島市特別名誉市民のバーバラ・レイノルズさん(1915~90年)の記念碑が平和記念公園(中区)そばで除幕される12日、半世紀ぶりに2人の女性が再会する。レイノルズさんの長女ジェシカさんと、亡き父が一家とヨットで世界一周の航海をした廿日市市の主婦三島裏里(りり)さん(50)だ。

 1954年、レイノルズさんや10歳だったジェシカさんたちはフェニックス号で広島を出港。世界各地に滞在し、反核運動もしながら1960年に帰港した。出港時に23歳だった三島さんの父不島元節(もとさだ)さんは、3人いた日本人乗組員の1人。広島大ヨット部で身に付けた操船技術を見込まれた。

 レイノルズさんは帰港後、広島で被爆者支援や平和運動に携わった。1965年に国境を超えた草の根の交流拠点のワールド・フレンドシップ・センターを設立、1969年に帰国した。

 元節さんと一家の親交は20年以上続いた。三島さんとジェシカさんが初めて会ったのは帰港翌年の1961年。1歳になっていなかった三島さんに記憶はなく、後に元節さんから聞かされた。ただ、元節さんは思い出の多くを語らないまま2006年に病気で亡くなった。

 2年前、三島さんは遺品から航海時のスライド写真約400枚を見つけた。音信が途絶えていたジェシカさんに写真約10枚を添え手紙を書いたところ、「すてきなサプライズをありがとう」と返信が届いた。

 再会を前に三島さんは「戦後間もなく夢と志を持って旅立った大人をそばで見ていたジェシカさん。父の人生に影響を与えた航海の話をもっと聞きたい」と心待ちにしている。

(2011年6月11日朝刊掲載)

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