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被爆者の思い 語り継ぐ 「父と暮せば」朗読劇 18日埼玉で上演 広島ゆかりの岡崎さん出演

 井上ひさしさん作「父と暮せば」のドラマ・リーディング(朗読劇)が、18日午後2時から、埼玉県東松山市の原爆の図丸木美術館で上演される。

 俳優の岡崎弥保さんたちが昨年結成した「桂月企画」の出演で、岡崎さんが娘役、内山森彦さんが父親役を務める。演出は蒔村三枝子さん。

 舞台は、被爆から3年後の広島。生き残ったことを負い目に感じ、恋に向き合えない娘を、被爆死した父親の幽霊が現れて励ます…。父娘のユーモラスな掛け合いを通じ、原爆が刻んだ心の傷を描き出す。

 岡崎さんは、父親が三次市出身。東日本大震災以降、福島県南相馬市の仮設住宅へ朗読ボランティアに行くようになり、原発や原爆の問題に関心を持ち始めたという。同じころ、父親の友人にも被爆者がいることを知り、広島に通って原爆資料館や被爆建物を見たり被爆証言を聞いたりするように。先月には、丸木俊の絵本「ひろしまのピカ」の朗読CDを発売。丸木美術館で開館記念日の5月5日に朗読し、披露する。

 岡崎さんは「稽古しながら、被爆者の思いをたどることはとてもつらいが、しっかり向き合い、語り継ぎたい」と語る。同美術館Tel0493(22)3266。(森田裕美)

(2015年4月16日朝刊掲載)

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