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原爆資料館本館 最初のコーナー 資料と遺品 集合展示

■記者 藤村潤平

 広島市が大幅改修を計画する原爆資料館(中区)について、展示内容の見直しを助言する市の有識者検討会議(今中亘委員長)は13日、中区の広島国際会議場で第6回会合を開いた。「被爆の実相」をコンセプトにした本館展示の最初のコーナーに、熱線を浴びた瓦などの被爆資料と遺品を集合展示する方針を決めた。

 市が委託した丹青社(東京)が、市の展示基本計画に基づく本館レイアウト4案を提示し、出席した委員9人が議論した。4案のうち最初のコーナーに被爆資料と遺品を一体的に展示する案が「都市の壊滅と人の被害が一度に分かる」「シンボリック」などと支持を集め、基本設計に盛り込むことになった。

 ただ、本館全体のレイアウトは「一体感がない」などの意見が出て8月の次回会合で同社が修正案を示す。

 本館にある被爆後の街のパノラマ模型は東館3階に移す。この模型に対して委員からは「目に見えない放射線を何らかの形で表現するなど、廃虚だけではない次世代のパノラマを考えてほしい」などの注文が出た。

 大幅改修は2014~15年度に東館、2016~17年度に本館を本格工事。全面再オープンは18年度を予定している。本格工事中は各館を閉館する。

(2011年6月14日朝刊掲載)

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