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今夏の電力余力7.9% 中電、関電などへ融通増

 中国電力は16日、今夏の電力の需給見通しを発表した。供給の余力を示す8月の予備率は7・9%で、安定供給の目安とされる8%に近い水準を確保できるとした。全国の電力会社9社のうち、4番目に高い水準。予備率の低い関西電力や九州電力への融通を増やす。

 予備率は島根原発(松江市)を再稼働しない前提で、2010年並みの猛暑を想定して算出した。昨夏は予備率4・1%と見込み、実績は9・3%だった。今夏が7・9%になれば、最低限の目安とされる3%を大きく上回るが、13年実績の5・0%以来、2年ぶりに8%を下回る。

 中電は「昨夏の見通しよりは上向いているが、火力発電所の計画外停止のリスクなどを考えれば、安心できる状況ではない」としている。

 供給力は1217万キロワットと昨夏より58万キロワット増やす。火力発電所の補修時期の短縮や点検の強化で稼働を高める。節電効果が約2割減ると想定して、ピーク時の需要は1128万キロワットと67万キロワット増えると予想する。

 他社への電力融通は、関電と九電から要望を受けて計69万キロワットを予定し、昨夏より61万キロワット増やす。気温が平年並みの場合の予備率は11・6%を見込む。

 この日、中電を含めた全国の電力各社が10年並みの猛暑などを想定して8月の予備率を算出。北海道、東北、東京の各電力が5・5~11・0%と、東日本では比較的余裕がある見込み。一方、原発への依存度が高い関西電力と九州電力は、単独ではそれぞれ予備率が0・8%、マイナス2・3%となり、他社から電力を融通してもらうことで3・0%をぎりぎり確保する。(河野揚)

(2015年4月17日朝刊掲載)

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