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一筆ごと平和の願い 原爆死没者名簿 広島で記帳開始

■記者 野田華奈子

 広島市は13日、原爆死没者名簿への記帳を始めた。昨年8月6日の原爆の日以降に亡くなったり、死亡が確認されたりした被爆者を書き加え、平和記念式典で原爆慰霊碑に納める。

 中区地域福祉センターで始まった記帳は、ともに被爆者で元市職員の池亀和子さん(69)=南区=と中本信子さん(68)=同=が担当。冥福を祈った後、和紙に名前、死亡年月日、年齢を毛筆で一文字ずつ書いていた。

 11回目の記帳となる中本さんは、東日本大震災に伴う福島第1原発事故に触れ「戦争と災害の違いはあるが、被ばく者が増えないよう心を込めて書きたい」と話していた。

 同市で昨年8月5日までに記帳された原爆死没者は26万9446人、名簿は97冊に上る。さらに市は今月10日現在、新たな死没者3062人を確認している。8月5日まで遺族からの記帳申請を受け付ける。市原爆被害対策部調査課Tel082(504)2191。

(2011年6月14日朝刊掲載)

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