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被爆医師の志 忘れない 広島市中区 詩人御庄さん偲ぶ会

 被爆医師として国内外の核被害者に心を砕き、反核平和の思いを言葉に託した詩人御庄博実(本名丸屋博)さんを「偲(しの)ぶ会」が19日、広島市中区の広島国際会議場であった。詩作や平和活動を通じて親交のあった約180人が集い、遺志を継ぐ決意を新たにした。

 1月に89歳で亡くなった御庄さんは岩国市出身。1977年に広島共立病院(安佐南区)の初代院長に就き、韓国など在外被爆者支援にも尽力した。会場には韓国の被爆者団体から生前贈られたつぼが置かれ、参加者が花を手向けた。

 続いてゆかりの13人がスピーチ。最期まで詩作を続け、現役医師として88歳まで現場に立った行動力をしのんだ。共著もある詩人石川逸子さんは「終生しなやかな心と少年のような目で虐げられた者や非業に亡くなった人を詩でよみがえらせた。感謝と畏敬の念でいっぱい」と述べた。ブラジル被爆者平和協会の森田隆会長のメッセージや御庄さんの映像も紹介された。

 偲ぶ会は同病院を運営する広島医療生協を中心に、医療関係者や研究者、平和活動や文学の仲間ら16人が呼び掛けた。(森田裕美)

(2015年4月20日朝刊掲載)

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