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原発の安全策を議論 イランで核軍縮国際会議

■記者 金崎由美(テヘラン発)

 イランの首都テヘランで核軍縮・核不拡散をテーマにした国際会議が12、13の両日、開かれた。国際的に核兵器開発の疑惑にさらされるイランが、自国の活動は平和目的だとアピールする狙いがあるとみられる。昨年に続き2回目の開催。

 インドやパキスタン、フィリピンなど40カ国の政府関係者や研究者ら約50人が出席し、全体会議と分科会で議論した。

 サレヒ外相はあいさつで「最も非人道的で危険な核兵器の保有は宗教上禁止されている」とイランに対する疑惑を否定した。

 参加者からは、福島第1原発事故を受け、原子力の平和利用についての意見が相次いだ。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の代表は「原発も核兵器同様に危険すぎることに気付かされた」と発言。一方、国際NGOの代表は「原発を『なかった』ことにはできない」。ロシア政府代表は「あらゆる事態を想定した安全策が必要」と強調した。

 会議には、前広島市立大広島平和研究所所長の浅井基文氏も出席。イラン政府に「非核政策でこそ国際社会で名誉ある地位を得られる」と注文した。

 会議はイラン政府の政策研究所主催。2日間の議論を総括して閉幕した。

(2011年6月14日朝刊掲載)

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