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原爆資料館 外国人最多 14年度入館 全体は減 131万人 広島市中区

 原爆資料館(広島市中区)の2014年度の入館者数は131万4091人で、前年度より5・0%減少した。全面リニューアルに向けた工事に伴い、昨年9月から東館を閉館している影響とみられる。年間入館者数が減るのは3年ぶり。ただ外国人は23万4360人となり、過去最多だった前年度を17・1%上回った。運営する広島平和文化センターが22日発表した。(菊本孟)

 入館者数は、東日本大震災や福島第1原発事故などの影響で外国人が激減した11年度に落ち込んだが、13年度は138万3129人まで盛り返していた。資料館は東館を閉館後、常設していた戦前の広島の様子や、核をめぐる世界情勢の展示をパネル8枚にまとめ本館で紹介しているが、改装を前に観光客たちが来館を見送る傾向があるとみている。

 15年度末まで東館を改修するのに続き、16、17年度は本館を閉館して耐震工事などをする。全面オープンは18年春の予定。このため、ことし7月中旬から被爆建物の旧日本銀行広島支店(中区)で収蔵品を展示する。市役所で記者会見した志賀賢治館長は「展示スペースの減少を補いたい」と期待した。

 一方、外国人入館者数は3年連続の増加。海外から日本を訪れる旅行者の増加や、インターネットの口コミサイトで外国人に人気の旅行先として上位にランクする点が追い風になっているという。修学旅行などの団体数は前年度より120団体減の4270団体、小中学、高校生は同様に8805人減の30万6695人だった。

 同じ平和記念公園内にある国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の14年度の入館者数は25万2599人で前年度より17・7%増え、過去最多だった。収集している原爆死没者の遺影と名前は14年度末で計2万20人となった。

(2015年4月23日朝刊掲載)

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