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大和の記憶 伝承10年 累計989万人が来館 呉のミュージアム

 広島県呉市の大和ミュージアム(宝町)が23日、開館から10年を迎えた。戦艦大和を生んだ日本の技術力と戦争の悲劇を伝え、累計約989万人が来館。今夏にも1千万人に達する見込み。

 2005年に開館。所蔵資料は約22万点に上り、企画展も随時開催してきた。大和の艦橋内部を復元した13年7月~14年5月の「巨大戦艦大和展」は約28万7千人を集め、大阪市でも開催した。

 この日は、来館者に記念品を配布。日本郵便中国支社(広島市中区)発売の記念切手シートを、郵便局長が小村和年市長に贈るセレモニーもあった。戸高一成館長は「全力で駆けてきた10年。70年前の戦争の記憶が忘れられつつある中、記憶の伝承に努めていく」と話した。10周年記念イベントを5月9日に同館で開く。

 太平洋戦争中の1941年、世界最大の戦艦として呉海軍工廠(こうしょう)で建造された大和の10分の1模型がメーン展示。現在の産業の礎になった造船、製鋼技術を紹介し、軍港都市・呉の歴史をたどる。

 大和の設計図面や、45年4月7日に東シナ海に沈んだ際の乗組員の遺品も展示する。戦後の日本の平和の尊さを訴えてきた。(小島正和)

(2015年4月24日朝刊掲載)

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