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今こそ核兵器禁止を NPT会議前にNY平和集会 被爆者が訴え

 米ニューヨークで27日に始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の成功を後押ししようと、各国の非政府組織(NGO)による「国際平和地球会議」が24日夕、現地で始まった。2日間の日程。初日は、日本被団協代表委員の谷口稜曄(すみてる)さん(86)=長崎市=たち被爆者が演説し「核兵器なき世界」の実現に懸ける切実な思いを訴えた。(ニューヨーク発 田中美千子)

 65を超すNGOが企画し約450人が参加した。開会式で登壇した谷口さんは「核兵器は人間らしく生きることも、死ぬことも許さない。人道に対する最大の犯罪だ」と指摘。16歳の時、長崎原爆の爆心地から1・8キロの路上を自転車で走行中に被爆し、背中や腕を焼かれて1年9カ月、うつぶせで過ごした体験を伝えた。5カ月後に撮影した自らの真っ赤な背中の写真を掲げ「地球の未来のため、核兵器は一発も残してはならない」と声を絞り出し、大きな拍手に包まれた。

 谷口さんは反核平和団体から、ことしのノーベル平和賞候補に推薦されている。共に推薦された広島の被爆者、サーロー節子さん(83)=カナダ・トロント市=も壇上に立ち「全ての核被害者を代表して言いたい。今こそ核兵器禁止を」とアピールした。

 25日は44分科会で議論を深める。主催者は26日もニューヨーク市街の行進など大規模なアピール行動をする。5年に1度のNPT再検討会議は5月22日まで国連本部であり、この機に原爆の悲惨さを訴えようと、被爆者や被爆2世、支援者たちが続々とニューヨーク入りしている。

(2015年4月25日夕刊掲載)

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