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核兵器「最大の犯罪」 NPT再検討会議 NYであす開幕 NGO集会 被爆者訴え

 核兵器の廃絶へ、190カ国の政府代表が5年に1度、方策を話し合う核拡散防止条約(NPT)再検討会議が27日、米ニューヨークの国連本部で始まる。被爆70年の節目に核兵器の非人道性を訴えようと、広島の被爆者たちも現地入りしている。会議本番を前に、24、25の両日は非政府組織(NGO)主催の国際会議があり、市民社会から「核兵器なき世界」の実現へ機運を盛り上げた。(ニューヨーク発 田中美千子)

 NPT再検討会議は5月22日まで。「核軍縮」「核不拡散」「原子力の平和利用」の3本柱で具体策を探る。2010年の前回会議は64項目の行動計画を含む最終文書に合意したが、今回は、核超大国の米国とロシアの対立など核をめぐる国際情勢の厳しさから難航が予想される。国際社会で深まる核兵器の非人道性に関する認識を踏まえ、非合法化へ具体に歩み出せるかも焦点になる。

 再検討会議の成功を後押ししようと、65を超える平和NGOが現地で企画した「国際平和地球会議」は24日夕に開幕。日本被団協代表委員の谷口稜曄(すみてる)さん(86)=長崎市=が証言に立った。16歳の時、長崎原爆の爆心地から1・8キロの路上で被爆して背中を焼かれた体験を基に「核兵器は人間らしく生きることも、死ぬことも許さない。人道に対する最大の犯罪だ」と強調。被爆5カ月後に撮影したその背中の写真を掲げ「ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ」と声を絞り出した。

 広島の被爆者、サーロー節子さん(83)=カナダ・トロント市=も「全ての核被害者を代表し、訴えたい。今こそ核兵器禁止を」とアピールし、約450人の参加者から拍手を浴びた。

 2日目の25日は全体会を開催。平和首長会議の副会長都市の一つノルウェー・フロン市のトーレ・ベツビィ市長は核兵器廃絶に向けた活動を紹介、連携を呼び掛けた。マーシャル諸島のトニー・デブルム外相や在韓被爆者男性も登壇した。

(2015年4月26日朝刊掲載)

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