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日米同盟「新時代」強調 TPP交渉に「進展」 首脳会談で共同声明

 安倍晋三首相は28日午前(日本時間28日深夜)、オバマ米大統領とホワイトハウスで会談した。安全保障や経済を中心に、幅広い分野で日米関係を強化することで一致し、戦後70年の節目を迎える中で「新時代の同盟関係」を打ち出した。環太平洋連携協定(TPP)交渉の早期妥結も確認。両首脳は会談を受けて共同ビジョン声明を発表した。(ワシントン発 城戸収)

 共同声明では、今回の会談を「日米のパートナーシップの変革における歴史的な前進」と意義づけた。会談で両首脳は、27日に自衛隊と米軍の役割分担を定めた防衛協力指針(ガイドライン)の18年ぶりの改定を踏まえ、より緊密な世界規模での連携を確認。日米関係が強固であることを世界にアピールした。

 軍事的に台頭する中国の海洋進出を念頭に、力による現状変更への反対と国際法の順守が重要との認識を共有。沖縄県が反対姿勢を崩さない米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設をめぐっては、安倍首相が基地の負担軽減計画を加速するよう要請した。

 一方、ニューヨークで開幕した核拡散防止条約(NPT)再検討会議について、会議の成功に向け協働することで一致した。

 経済面では、協議が大詰めを迎えているTPP交渉を決着させることを再確認。共同声明には「交渉に大きな進展あったことを歓迎する」との認識を盛り込んだ。このほか、テロとの戦いや気候変動、感染症対策など、世界的な課題について協力して対応することも確認した。

 首相がオバマ氏と会談するのは昨年11月に訪問先のオーストラリア以来。オバマ氏とは第2次安倍政権発足後の2013年2月にワシントンで初めて会談し、昨年4月にはオバマ氏が来日した。首相は29日、日本の首相として初めて米上下両院合同会議で演説する。敵国同士だった両国が戦後和解した経緯を振り返り、未来志向の関係を前面に打ち出した内容になる見通し。

(2015年4月29日朝刊掲載)

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