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上関町文化センター完成 原発財源整備が完了 山口

 山口県上関町は28日、同町室津に建設した町総合文化センターの完成記念式典を開いた。町は2011年以降、中国電力上関原発建設計画に伴う国の原発関連交付金で、温浴施設「上関海峡温泉 鳩子の湯」と道の駅「上関海峡」を周辺に開設。文化センターの完成で、原発財源による一連の施設整備が完了した。(井上龍太郎)

 総合文化センターは鉄筋2階建て延べ2435平方メートル。ステージを備えた1階の多目的ホールは255人を収容する。研修室と調理室を設け、老朽化した近くの中央公民館の機能を移す。2階は町初の図書館となっている。

 5月1日から利用できる。総工費は10億6200万円。うち9億1400万円を原発関連交付金が占める。

 町は09年、国から受け取る4年間で総額25億円の原子力発電施設等立地地域特別交付金を使い、三つの大型施設を整備する事業計画をまとめた。11年12月に温浴施設、14年12月に道の駅を開業した。

 一方、11年3月に福島第1原発事故が発生。上関原発の準備工事が中断し、交付金の確保は不透明になった。町は道の駅と総合文化センターの規模を当初計画から縮小。総合文化センターは設計をやり直し、13年9月に着工した。

 式典には約60人が出席。柏原重海町長は「生涯学習への関心が高まっている。多くの町民に利用してほしい」とあいさつした。地元の上関小児童が太鼓演奏を披露した。

(2015年4月29日朝刊掲載)

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