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NPT声明は米提案

 日米両政府が28日に発表したNPTに関する声明は米国が日本側に提案して作成されたことが分かった。ニューヨークで開幕したNPT再検討会議で核軍縮などに向けた合意は困難との見方がある中、「核兵器のない世界」を掲げるオバマ政権の意思を反映した。日米首脳会談の後、外務省幹部が明らかにした。 (ワシントン発 藤村潤平)

 声明は、NPT再検討会議の成功を目指す決意を表明。70年前の広島、長崎の被爆が「核兵器使用の壊滅的で非人道的な結末を思い起こす」と言及し、核戦力の透明性確保をはじめとする日本などの核軍縮提案を米国が支持する内容になっている。

 外務省によると、日本側は当初、会談後に発表する包括的な共同声明で被爆70年に触れる方向で検討していた。事前協議の過程で、会談がNPT再検討会議の開幕翌日に開かれることなどを踏まえ、米側がNPTに関する独立した声明を出す案を持ち掛けたという。

 NPT再検討会議は、ウクライナ情勢による米国とロシアの関係悪化や、核兵器禁止条約をめぐる核保有国と非保有国の対立先鋭化などから最終文書の採択を危ぶむ声が出ている。

(2015年4月30日朝刊掲載)

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