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共同声明 最多159ヵ国賛同 NPT会議 核の非人道性訴え

 日本やオーストリアなど159カ国は28日、米ニューヨークで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、核兵器の非人道性を訴え、不使用を求める共同声明を発表した。同趣旨の声明はこの3年間で6回目。賛同国数は過去最多となった。(ニューヨーク発 田中美千子)

 賛同国を代表し、オーストリアのクルツ欧州・国際関係相(外相)が一般討論演説で読み上げた。「いかなる状況の下でも核兵器が二度と使われないことが、人類の生存に利益となる」と強調。さらに「(不使用を)保証する唯一の道はその全廃だ」と訴えた。

 核兵器の非人道性に関しては、2010年の前回再検討会議で合意した最終文書に明記された。これを受け、オーストリアやスイス、メキシコなど非核兵器保有国の政府が、非人道性に焦点を当てて核兵器の非合法化を求める議論を主導。12年5月以降、再検討会議の準備委員会や国連総会で相次ぎ共同声明を発表してきた。今回は過去最多の賛同国の声を後ろ盾に、核兵器の違法化に向けた議論を後押しする狙いがある。

 再検討会議では軌を一にしてアイルランドやメキシコなどが初日の27日から、核兵器を法的に禁止する枠組みを求める主張を展開している。新アジェンダ連合(NAC、6カ国)を代表して登壇したニュージーランドは核軍縮の「効果的措置」の議論を国連総会などでするよう提案。核兵器廃絶へ「法的拘束力のある包括的な仕組み」作りの必要性を唱えた。

 これに対し、核兵器保有国や「核の傘」に頼る国は従来通り、「段階的な核軍縮」を主張。溝が浮き彫りになっている。日本は被爆地の廃絶への思いを背景に13年10月の4回目の共同声明から名を連ねているが現時点で非合法化には消極的だ。

(2015年4月30日朝刊掲載)

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