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島根原発1号機を廃炉 中電 20~30年かけ解体・撤去

 中国電力は電気事業法に基づき、30日付で島根原子力発電所1号機(松江市鹿島町、出力46万キロワット)を廃炉にした。営業運転の開始から約41年の歴史に幕を閉じた。今後、具体的な廃炉作業の工程を示す「廃止措置計画」を策定し、20~30年かけて解体、撤去する。

 廃止措置計画は、地元了解と国の認可を得る必要がある。解体に伴って大量に出る放射性廃棄物や使用済み燃料の処理方法が焦点の一つになる。中電は30日、「廃止措置計画は引き続き検討を進めている」とのコメントを出した。

 1号機は国産第1号として1974年3月に運転を開始。点検不備問題を受け、2010年3月から停止している。中電は廃炉に伴う償却費として15年度から4年間、毎年46億円程度の損失を計上する見通し。

 全国では27日に老朽原発4基が廃炉になっており、国内の商業用原発は48基から43基に減った。中電の廃炉は初めてで、中国地方の原発は島根2号機だけになった。

 中電は今後、島根2号機の再稼働と、建設中の3号機の稼働を目指す方針。山口県上関町での上関原発の建設計画にも引き続き取り組む意向を示している。(河野揚)

(2015年5月1日朝刊掲載)

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