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「広島の姿見るべき」 シュルツ元米長官訴え

 「核なき世界」を提唱している米国のシュルツ元国務長官は4月30日午後(日本時間1日早朝)、スタンフォード大(カリフォルニア州)の公開シンポジウムで「広島の姿を見ることが必要だ」と述べ、核兵器廃絶に向け、世界の指導者が被爆地を訪問するよう訴えた。 (サンフランシスコ発 城戸収)

 シュルツ氏は安倍晋三首相とともに登壇。戦略核削減で基本合意した1986年の米ソ首脳会談に携わったことを挙げ、「当時は正しい方向に進んでいたが、今は間違った方向に進んでいる」との認識を示した。

 この日、NPT再検討会議に合わせて訪米中の湯崎英彦広島県知事と面会したことも紹介し、「知事が言うように核廃絶の問題に迅速に取り組まねばならない」と語った。広島県によると、シュルツ氏との面会が急きょ可能になったため、湯崎知事は帰国予定を変更して同大で会談したという。

 核抑止力が平和を保っていると考えられていた冷戦下、レーガン政権時に国務長官だったシュルツ氏。キッシンジャー元国務長官らとともに2007年と08年、米紙に核兵器廃絶を求める文章を寄稿し、核兵器をめぐる問題で積極的に発言している。オバマ米大統領も賛同し「核なき世界」を掲げた。

(2015年5月2日朝刊掲載)

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