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石原氏講演や市民集会 山口・下松 憲法考える催し

 憲法記念日の3日を前に2日、山口県内各地で憲法について考える催しがあった。山口市では元東京都知事で作家の石原慎太郎氏の講演会を日本青年会議所中国地区山口ブロック協議会が開催。下松市では憲法が定める地方自治の保障をテーマに市民集会があった。

 山口市の県総合保健会館であった石原氏の講演会には市民たち約600人が参加。石原氏は「日本人よ、託すな」と題し、「(国民は)憲法に規範や物事の価値観を委ねている。将来を見据え、国民一人一人が考えることが大事だ」と述べた。

 憲法が制定された歴史的背景などをひもとく一方、若者の戦争などに対する歴史認識が薄れている現状を憂慮。「現代の問題は、歴史を大づかみに捉えて考える必要性がある」と指摘した。

 参加した山口市朝田の会社員岡村優樹さん(29)は「憲法改正などの問題をしっかり考えていきたい」と話した。

 下松市栄町の下松教会会堂では、日本キリスト教団下松教会などが「憲法を考える市民集会」を開いた。県地方自治研究所の竹尾久男事務局長(67)が「低投票率という難題」と題し、約50人を前に講演した。

 竹尾事務局長は昨年の下松市議選や4月の県議選など最近の地方議会議員選挙の投票率が低下していることに触れ、「地方自治の保障に影響を与えかねない事態」と指摘。「民意が議会から遠ざかっているのが要因」と、市民への議会報告会を増やすなど議会側の歩み寄りの必要性を強調した。(門戸隆彦、松尾直明)

(2015年5月3日朝刊掲載)

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