×

ニュース

異論封じる動きを危惧 朝日支局襲撃28年 幹部 呉で墓参り

 朝日新聞阪神支局襲撃事件が起き、丸28年になった3日、朝日新聞大阪本社の後藤尚雄代表(61)たち幹部10人が、銃撃で亡くなった小尻知博記者=当時(29)=の古里、呉市川尻町を訪れ墓参りをした。

 池内清編集局長(55)は取材に対し、「言論や表現の自由をめぐる環境は日増しに劣化している。異論を力で封じ込める動きに社会の一部ではやや萎縮するような風潮がある」と強い危惧の念を示した。

 一方で、言論をめぐる同社の対応について言及。昨年、ジャーナリスト池上彰さんのコラム掲載を一時見合わせた問題に対する反省を述べた上で、「異論や少数意見を封じ込める動きに対し、断固としてノーだと言い続けていかなければならない」と誓った。

 近くの実家では妻の裕子さん(55)と娘美樹さん(30)たち家族が法要を営んだ。(広重久美子)

(2015年5月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ