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被爆者援護めぐる発言 市長 「お騒がせ」陳謝

■記者 野田華奈子

市議会 議員ら批判や苦言も

 広島市議会は23日、定例会の一般質問を始めた。松井一実市長が被爆者援護に関し「権利要求みたいに『くれ、くれ、くれ』じゃなくて」などと発言した問題で、議員から批判や真意をただす意見が相次ぎ、松井市長は陳謝した。

 質問に立った5人のうち4人が、松井市長の発言をただした。山内正晃氏(市民連合・安佐北区)は「多くの市民が失望感と怒りを感じた」と批判。市長と協調路線を取る最大会派の保守クラブの山田春男氏(西区)は「公人として発言に気を付けてほしい」と苦言を呈した。

 松井市長は、被爆者援護に関し「国民が分かち合う精神があってこそ成り立つ。感謝の気持ちを持つことは大切だと強調したかった」と説明した。その上で「お騒がせしたことにおわび申し上げる。今後は十分、心していきたい。援護施策の充実に取り組み、被爆者の方々の思いはしっかり受け止めたい」と答えた。

 また、市政運営をめぐって松井市長は「対話を何より重視したい」と強調。8月下旬から各区で地域活動や市民活動に取り組む団体と意見交換する「市政車座談義」を開く考えを示した。

(2011年6月24日朝刊掲載)

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