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感じて心の交流 日韓つなぐ明るい音色 大邱市立交響楽団 2015ひろしまフラワーフェスティバル

 日韓国交正常化50周年を記念し、広島市と姉妹都市提携を結ぶ韓国・大邱(テグ)市の市立交響楽団による野外コンサートがFF会場であった。同楽団が広島市で演奏するのは初めて。約600人の聴衆が音楽を通じて、平和を願う心を通じ合わせた。

 韓国外交部と両市が主催し、被爆70年に合わせ、原爆ドームを臨む元安川西岸の平和記念公園を会場に選んだ。同楽団ウインドオーケストラの40人が出演。日韓友好の深まりを願い、ビートルズなどの快活な曲を中心に9曲を高らかに奏で、拍手に包まれた。

 「韓国の楽団が平和記念公園で演奏するのは、韓国人の原爆犠牲者慰霊碑が公園の外にあった時代には考えられなかった。互いのことを勉強すれば、日韓はもっと仲良くなれる」。中区の塾経営藤原伸明さん(68)は韓国人の妻と一緒に、感慨深そうに聞き入った。

 大邱市から今回、1999年度から続く相互訪問で最大規模となる約150人が訪れた。徐張恩(ソ・ジャンウン)・駐広島総領事は「節目の年に、今後の韓日関係を象徴する明るい音楽を披露でき、確かな一歩になった」と話した。

 この日、FF会場で「大邱の日」記念式典もあり、大邱市の権泳臻(クォン・ヨンジン)市長が「平和をあらためて考える年。戦争の痛みを共有する両市の交流は心強い」とあいさつ。広島市の松井一実市長も「市民同士が心の通い合う隣人になり、両国の付き合いをいいものにしたい」と述べた。(馬場洋太)

(2015年5月5日朝刊掲載)

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