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中沢さん遺志 大書でつなぐ 安西高書道部 2015ひろしまフラワーフェスティバル

 大きな和紙いっぱいに、平和への願いを受け継ぐ気持ちを込めて大筆を走らせた。広島市安佐南区の安西高の書道部員が、漫画「はだしのゲン」の作者、故中沢啓治さんが残した詩「広島 愛の川」を題材に、書道パフォーマンスを披露した。

 2、3年生8人が、はかま姿でパフォーマンスひろばに登場。縦4メートル、横6メートルの和紙に向かい、平和への思いを咲かせようと赤く「華」と大書した。続けて「語ろうよ優しさを」「愛を浮かべて広島の川を世界の海へ」と詩をアレンジした言葉をしたためた。

 BGMは、詩に曲が付けられた同じ題名の歌。歌手加藤登紀子さんが優しく歌うCDが流れ、部員が完成した作品を観客に掲げると、大きな拍手が湧いた。

 顧問で被爆2世の芥川照美教諭(53)から母親の被爆体験を聞き、命の尊さを教わってきた。書道部ならではのアピールとして、詩のフレーズを選び、文字の配置を決めた。

 「被爆者が少なくなり、平和に暮らせるありがたさを自分たちが伝えていかないといけないという強い思いで書いた」。部長の3年砂田舞衣さん(17)は、出来上がった作品をすがすがしい笑顔で見詰めた。(境信重)

(2015年5月6日朝刊掲載)

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