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核禁止条約の進展期待 NPT会議 広島市長、帰国し会見

 核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席するため米ニューヨークを訪れていた広島市の松井一実市長は8日、市役所で記者会見し、閉幕までに合意を目指す最終文書に、核兵器禁止条約の交渉開始に向けて踏み込んだ内容が盛り込まれるよう期待した。

 松井市長は4月25日から9日間の日程で訪米。再検討会議の公式行事「非政府組織(NGO)セッション」で演説した。「核兵器禁止まで視野に置いて取り組みを強化しないと、NPT体制の維持強化を図ったとはいえない。それが分かるような合意文書になれば」と話し、最終日の22日へ議論の進展を求めた。

 一方、核兵器の非合法化に熱心なオーストリアの外相や、段階的な核軍縮を唱える米国の政府代表たちとの会談を経て「廃絶を実現するための努力を怠らないという気概を確認できた」と述べた。

 また決定時期が迫る来年の主要国首脳会議(サミット)の開催地にも言及。市を含む8自治体が誘致しているが「政府がどういうテーマ設定で開催するかで場所が決まる。平和は世界的な課題」と広島開催の意義を強調した。(和多正憲)

(2015年5月9日朝刊掲載)

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