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米・加州の大学院生 爆心地元住民を撮影 街並み復元など追う

■記者 森田裕美

 ハリウッド映画界に人材を輩出している南カリフォルニア大の大学院生が広島市入りし、原爆で壊滅した旧中島地区の元住民たちの姿を短編ドキュメント作品にまとめる撮影を開始した。7月28日には被爆前の街並みを映像で復元している元住民の会合を収録した。米国内外の映画祭に出品する計画だ。

 広島を訪れているのはポール・シェパードさん(26)。担当教官から復元に取り組む映像制作会社社長の田辺雅章さん(70)=西区=や元住民の取り組みを聞いたのがきっかけで今春、広島を訪れ、原爆被害に衝撃を受けた。

 作品制作を決意して再来日し、この日は元住民たちの映像化の打ち合わせの場面や証言をビデオで追った。8月8日まで滞在し、平和記念式典なども収録して10分程度の作品に仕上げるという。

 「単なる町の破壊ではなく、家族やコミュニティーまでも壊す戦争の現実や、平和の大切さを伝えたい。米国だけでなく欧州やアジアにも広めたい」。シェパードさんは真剣な表情でカメラを回している。

(2008年7月29日朝刊掲載)

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