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ヒロシマの心 感じて 2015ひろしまFF ジュニアライターが企画 クイズや写真で惨禍と復興紹介

 平和の大切さを、同年代の若者たちに受け止めてもらいたい―。広島市中区の平和大通り一帯で開かれた2015ひろしまフラワーフェスティバル(FF)。中国新聞ジュニアライターはヒロシマや平和に関する言葉を問うクロスワードクイズや、被爆後の歴史を写真でたどる発表をして、70年前の惨禍と復興の歩みを紹介した。(山本祐司)

 小町の「ゴールデンシャワーステージ」に、小学6年から高校3年までの40人が集まった。二つのグループに分かれ、中国新聞のマスコットキャラクター「ちゅーピー」と一緒に、「広島平和クロスワード」を出題し、「写真で振り返る広島の70年」を発表した。

 クロスワードは、問題作りからパネル制作まで、全てジュニアライターのオリジナル。「原爆投下の目標とされたT字形の橋の名前は」「被爆後の焼け野原にいち早く咲き、広島市の花とされた植物の名前は」など15の問題を出し、来場者に答えてもらった。

 写真発表は、街並み▽学校▽平和記念公園―の三つのテーマについて15枚のパネルを用意。1人ずつ持って、時代背景を解説しながら変化をたどった。被爆前の中島地区(現中区中島町、平和記念公園)の密集した家屋や商店街の人混みを切り取った写真では、あの日を境に消えた人々の息づかいを伝えた。被爆後の本川小(中区)の授業再開風景や、建設中の原爆慰霊碑など、復興に歩みだした姿も紹介。「緑豊かになったFFの会場でも歴史の流れを感じてみて」と呼び掛けた。

 発表を見ていた祇園北高1年松本彩花さん(15)=安佐南区=は「みんな真剣に調べて発表していたので、内容がよく分かった。ヒロシマの歩みを学び直すことができた」と話していた。

 この日は欠席したジュニアライターも含め、現在のメンバー49人全員が企画から発表まで、どこかの過程で携わった。

総合リーダー 高2 谷口信乃さん(16)

仲間と一丸 知識総動員

 総合リーダーを務め、最初はプレッシャーを感じました。しかし、仲間と協力して作り上げ、無事に終えることができました。平和の大切さを分かりやすく伝えられたのではないかと感じています。

 最初の企画会議から仕上げまで、全てのグループの準備と練習に参加するよう努めました。それぞれの発表を別々のものではなく、一体感のある完成度の高い内容にしたかったからです。これまでジュニアライターとして得た知識や経験を総動員して、作業に取り組みました。

 本番では緊張しましたが、後輩の頑張る姿を見てうれしく思いました。自分も努力するとともに、平和を受け継ぐ気持ちをバトンにして渡していきます。

クロスワードグループリーダー 高2 松尾敢太郎さん(16)

楽しみ共有 工夫凝らす

 昨年取り組んだピース検定のように、見に来た人も巻き込んだ内容にしたいと考え、クロスワードを提案しました。答えが徐々に見えてくるワクワク感を共有したいと思ったからです。

 解くのは自分も慣れていますが、初めから問題を作るとなると意外に大変でした。全体を四角い形にできず、振り出しに戻って考え直すこともありました。今回は、小学生や留学生という幅広い年齢層や違う国籍の仲間と一緒に悩みながら作り、ゴールできたことで、達成感を覚えました。

 司会としてステージから見渡すと、いろんな世代の人が真剣に考えている姿が目に留まりました。子どもも楽しんでくれたので、学んだことを忘れないでほしいと願っています。

写真グループリーダー 高1 正出七瀬さん(15)

変遷と努力 忘れないで

 被爆後、「70年間は草木も生えない」といわれた広島の街は今、緑と人々の笑顔であふれています。あの日から今日までの復興の足跡を、リアルに伝えることのできる写真を使って、多くの人に見て考えてもらおうと考え、提案しました。

 テーマは、いずれもジュニアライターの活動や生活にとって身近な場所です。グループごとに紹介する写真を探し、原稿を書きました。作っていく中で、私自身、この70年間の変遷に驚くとともに、今の広島を築いてきた人たちの思いと力の大きさを感じました。

 発表を見た人たちが、この日感じたことを忘れないで、今後も広島の街を歩きながら思い出してくれたら大成功です。次は私たちが平和な未来を築く番です。

(2015年5月11日朝刊掲載)

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